外壁塗装の種類

塗料について

外壁塗装用の塗料は含まれている樹脂成分の違いでグレードが分かれており、それぞれ特徴や機能、価格が違えば、耐用年数の長さにも違いがあります。
おもに外壁塗装で利用されるのはランク別にわけると、アクリル、ウレタン、シリコン、ラジカル、フッ素、特殊塗料などがあります。
外壁塗装の工事代金のほとんどが、この塗料代(選ぶ塗料の種類、外壁の種類)などにより差がうまれます。
家の外壁塗装をおこなう時に、どの塗料を使うべきなのかを確認しておきましょう。

塗料の種類特徴
アクリル系塗料軽量で、色をくっきり見せる効果がある塗料です。
コスト面でもっともすぐれていますが、紫外線に弱く、耐用年数が短めです。

こまめに塗り替えたい方やリーズナブルに塗り替えたい方におすすめです。
ウレタン系塗料アクリル系塗料に比べて、防水性と耐水性にすぐれた塗料です。
比較的安価で、バランスがとれています。 用途の範囲が広く、戸建住宅を中心に幅広い建物で使用される塗料です。
密着性にもすぐれており、塗装の剥がれが気になる箇所に使えます。

比較的低予算ですませたい方や塗料の剥がれが気になる箇所がある方におすすめです。
シリコン系塗料ウレタン系塗料に比べて、耐久性と対候性、仕上がりのよさにすぐれた上質な塗料です。
弾性にもすぐれているので、塗膜の下で小さなひび割れができても、防水性を損ないません。耐用年数が長く、コストパフォーマンスのよい塗料で、現在もっとも人気です。

コストパフォーマンスの良い上質な塗料を選びたい方におすすめです。
フッ素系塗料耐久性、耐候性、撥水性にすぐれていますが、一方で汚れやすいというデメリットもある塗料です。
美しい光沢もありますが、価格がもっとも高いので、一般住宅ではそれほど普及していません。

急勾配の屋根や大きな面積のため足場の設置に費用がかかってしまう場合や長期的に見た時に価格が安くしたい方におすすめです。

各塗料の費用相場

 アクリルウレタンシリコンフッ素光触媒・無機・遮熱・断熱
20坪4~8万7~8万10~14万14~18万20~22万
30坪8~16万14~16万20~28万28~36万40~44万
40坪12~24万20~24万30~42万42~53万60~65万
50坪16~32万29~32万40~55万55~71万80~87万
60坪20~40万36~40万50~70万 70~90万100~109万

地域の特性に合った塗料選び

外壁塗装の種類で大事なのは塗料の特性についてだけではありません。
塗料の特徴と合わせて、地域の環境にあった塗料選びをしないとスグに剥がれる塗装になってしまいます。

例えば、海の近くの建物では「塩害」の影響が強く、通常の塗料を使ってしまうとスグに剥がれてくるので、建物のメンテナンス費用が高くなります。この場合は、フッ素等耐久性の強い塗料を選ぶ必要もあります。

こういった地域の特性に合う塗料を選ぶことで、安心の暮らしを手にいれることができます。

塗装工法について

外壁塗装は外壁材・塗装道具によって塗装工法が異なりますが、塗装工法それぞれの特徴を知ることで、職人が今どんなことをしているのか知ることができます。

3つの塗装工法

刷毛工法

刷毛は小さい筆のようなもので、細かい部分を塗装するのに必要なものとなります。しかし、塗れる面が小さいので広い面を一気に塗装する場合には不向きです。刷毛は細かい仕上げ塗装や、微調整をする際に使われるものとなります。

ローラー工法

コロコロと道具を転がしながら塗装ができる道具です。ローラー部分が長く広い面を一気に塗装するのに大変役立ちます。広い面は塗装しやすいですが、隅っこや細かい塗装には不向きなものとなります。

吹き付け工法

塗料を噴射できる機械に入れて吹き付けて塗装する方法となります。ローラー工法と同じく、広い面を一気に塗装できる特徴をもちます。しかし、塗料の飛び散りや凹凸がある部分の塗り残しが発生しやすいので、気をつけて塗装をしないといけません。

塗装と張り替え

塗装

塗料を外壁に直接塗る方法です。塗装の場合は下塗り・中塗り・上塗りの合計3回塗り(基本は3回塗り)をして、それぞれ塗料の乾燥時間をもうけないといけないので、約30坪の建物を塗装した場合でも10日~2週間前後はかかります。
塗料代・塗装代など塗料のグレードや塗装する職人の数によっても金額が変わるので、塗装業者事で見積もり金額が同じになることはありません。
悪徳業者は、あなたが塗料・塗装の知識がないことをいいことに、値段を吊り上げる・安くして必要な工程を省くといったずさんな工事になる可能性も。
塗装を行う場合は、必ず地域密着の業者にお願いすると安心できます。

張り替え

外壁に対して、サイディングボード(窯業系・金属系・木材系・樹脂系などがあります)といわれる、外壁に貼れるように作られたボードを取り付ける方法です。
張り替えの場合は、塗装をする必要がないのと、すでに出来上がっているものを取り付けるので、工事期間も短く済みます。
また、サイディングボードには様々な模様が入っていたり、レンガ風など質感をもたせたものもあります。
あなたの家の印象をガラリと変えたい場合などにオススメな方法となります。

外壁材について

外壁塗装の種類で知っておきたい3つ目は、外壁材についてです。外壁といっても様々な種類があり、それぞれ特徴を持っているので詳しく見てみましょう。

外壁材起きやすい症状特徴
モルタル・ヒビ割れ
・チョーキング
セメント・石灰・砂などを水に混ぜて作られた外壁です。築30年近い建物はモルタルが使われている場合が多いです。塗料の効果が切れるとモルタル部分に対して、ヒビ割れなどの劣化が起りやすくなります。
窯業系サイディングボード・コーキング(シーリング)の劣化
・ボードの反り
・凍害
セメントなどが混ぜられて作られた板状のボードです。寒い地域でよく発生する凍害と言われる症状に弱く、きちんとメンテナンスをしないと長持ちしません。
金属系サイディングボード・サビ
・潮風に弱い
スチールやアルミなどの金属素材をもとに作られた板状のボードです。金属であるためサビの発生などはありますが、断熱・防火などすぐれた機能を持っています。
樹脂系サイディングボード・変色
・紫外線に弱い
塩化ビニル樹脂を主な原料にして作られた板状のボードです。弾力・耐久性などすぐれた特徴をもっています。
木質系サイディングボード・塗装の効果が切れると劣化しやすい
・チョーキング
木材で作られた板状のボードです。素材が木材なので劣化には弱いですが、色合いや風情ある外壁を楽しむことができます。
ALCボード・ヒビ割れ
・チョーキング
コンクリートを軽量化した外壁材です。マンションなどによく使われています。
コンクリート壁・ヒビ割れ
・爆裂
セメント・砂などを混ぜられて作られたものです。とても強度が高いのですが、防水機能等が失われると劣化が進みます。凍害などの症状が発生しやすいです。
漆喰・汚れ
・傷がつきやすい
消石灰・砂などが混ぜられて壁に塗られたもの。メンテナンスフリーで高機能な外壁です。お城や蔵の外壁で昔から使われているものとなります。
外壁の特徴が分かれば、どんな塗装にすればいいのか、また塗装業者が言っていることは本当なのか、あなた自身で判断できるようになります。
TOP